1階~4階までの各部屋の廊下にニッチがあり、そこに飾るガラス彫刻の衝立を依頼されました。最初は10枚の山の景色でしたが、22枚になり、各地の名所・旧跡をという難しい注文になりました。
かねてからサンドブラストの技量を高めたいと思っていた主人は、全力で取り組み始めましたが、レベルの高い題材にしばらくは思考錯誤を繰り返していました。イラストレーターでのデザイン編集作業、解像度が高くデザインの良い写真を選び出す作業、暗い中でやらなければならない写真製版、繊細さを必要とされる手切り手彫り作業、独自に生み出した様々な技法や彫り、マスク同士を重ね合わせる特殊作業など・・・目の悪い主人には一つ一つ大変な仕事だったと思います。
オープン数日前のカウントダウンの中でも、あと4枚、あと3枚、あと2枚・・・と皆の応援の中で最後の1枚まで頑張り通してくれました!
写真・記述 岡部和子